宙組若手スター澄輝さやとが今月25日、兵庫・宝塚大劇場で、ミュージカル「クラシコ・イタリアーノ-最高の男の仕立て方-」新人公演に初主演する。
入団7年目、新人公演出演へ最後の年。
ラストチャンスで初の大役をつかんだ。
ナポリ・スーツを世界に広めた男、サルヴァトーレを演じ、経験がない大人の男性役。
のリレー競走から負けず嫌いを自負する澄輝が、新境地に真っ向から挑む。
すらりとした立ち姿、天賦の才に恵まれた原石が、スポットライトの中で輝くときがきた。
「1度は...って思っていたので、すごくうれしくて、今は、やらなきゃって思いがとても強いです」
やっとつかんだセンターの位置。小学時代からの負けず嫌いの血がうずく。
「運動会のリレーは、必ず自分で手上げて『私、出たい!』って。絶対負けたくないし、1位のときが多かったです。走るのも、体を動かすのも好きだったんです。親には『昔っから、あんたはジャンプばかりしてた』って言われます」
今公演がジャンプ、羽ばたくきっかけになりそう。
これまで、さわやかなキャラクターを生かした若者役が多かった。
今回は、本公演でトップ大空祐飛が演じる役柄。
イタリア製スーツを世界に広めようとする、クールで頭がキレる大人の男性を演じる。
「今までやったことがなかったので、おっ! って思ったんですけど。そういう役があこがれでもあるので、すごくうれしかった」
澄輝は、瞳をキラキラさせ、大空の姿を追う。
「祐飛さんがスーツの着こなし、しぐさ、何から何まで極めてらっしゃって...。自分がもうちょっと若い学年なら、吸収しきれなかったかもしれない。今、やらせてもらえて、本当にありがたい。自分なりの理想像ができてきているので」
本公演では大空の秘書役。
同じ出番が多い。
ある日のけいこ場、私服に対して、大空から助言された。
「祐飛さんから『男ものでも、あなたの体がきれいに見える形がある。普段着るスーツも男性ものの方がいいよ』と。最近は、男性用も細身のものが多いので、メーカーによっては、きれいに着こなせるんですね」
プロ意識の高い大空ならではのアドバイス。
そのとき、たまたま女性用を着ていた澄輝だが、普段はメンズのシャツを羽織る。
「肩幅があるので、シャツはメンズ(笑い)。でも、おけいこ場で私服にまで気を配っていなかった」
男役として気構えが違う。
大空の助言は金言。
生かすも殺すも、自分次第だ。
「祐飛さんは、心がけが違うから、立っているだけで格好がいい。舞台人としてのあり方も、素晴らしいと思っています」
ファンに見てもらう立場を自覚し、意識する。
格好良さは、内面から始まると気づかされた。
「今回はスッとした男性の役ですが、祐飛さんからは、仕事への熱さがあった上で、内面からわき出る強さを感じます。私も、そんな"内の強さ"を、表現できるようになれればと」
負けず嫌いの性格が、向上心をかきたてる。
今日という日は常に"昨日のリベンジ舞台"でもある。
「悔しいって思うことは大事。(前回『美しき生涯』の)大劇場の新人公演は、体調を崩して、うまくやりきれなかった。今回は、絶対に風邪をひかない!」
体調維持への自衛策は水と、温か食材だ。
「冬生まれですけど、寒いのが苦手。末端冷え性なので、あったかいもの飲んで、体が冷えるものを食べないように。しょうがも継続してます。あと、常温のミネラルウオーター。500ミリリットルのボトルを買い置いて、持ち歩いていますね。1日4~5本は飲みます」
先日、オフを利用して1週間、米ニューヨークを旅してきた。
ブロードウェー公演を何本も鑑賞した。
「アクションが大きいので、言葉は分からなくても伝わるものがある。見るのも勉強で、楽しいです」
けいこ場でも、自覚が生まれた。
下級生への助言を口にすることも。
「今まで、言ってもらうだけだったんですけど」とはにかむ。
「7年間学んできたことに、祐飛さんから教えていただいたことをプラスして、男の魅力が出せたら。最後で主演。大きな重圧はありますが、自分も楽しんで成長していけたら」。
伸び盛りの若手には、経験が何よりの糧。
澄んだ瞳の輝きは増す。
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