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月組娘役トップ蒼乃夕妃が「宝塚伝統の娘役」に挑む。兵庫・宝塚大劇場で29日開幕(8月29日まで)する「ミュージカル・ロマン アルジェの男」で、トップスター霧矢大夢演じる野心家の青年を、一途に思い続けるサビーヌを演じる。
これまで凛(りん)とした役柄が多く、けなげなヒロイン像に「今回のような役は初めて」
霧矢と黄金コンビを組んで約1年半。
より強固になった黄金のコンビネーションを見せる。
東京宝塚劇場は9月16日~10月16日。

前作「バラの国の王子」では、霧矢の野獣王子に愛される女性を、前々作「STUDIO54」では美しく気位が高い新進女優を演じた。
月組の見どころの1つである霧矢とのダンス、デュエットでは、独特の存在感を放っていた。

これまでを「個性」とするならば、今回の役柄は「王道」と言ってもいい。
今公演「アルジェの男」は、スラム街で育ったジュリアン(霧矢)が、野心を胸に立身出世を目指す様を描く。
蒼乃演じるサビーヌは、ジュリアンを昔から知り、一途に思いを寄せる。

「彼を陰から見守り、同じ場所にいるだけで幸せという古風な女性。
これまでは(霧矢に)追いかけられる役柄が多かったですが、今回は自分がひたすら追いかける。
以上に(霧矢の)動きを目で追っています。けいこ場とか、休憩時間までも(笑い)」


芝居も、ダンスも、演じるよりも、なりきるタイプ。

「すごく不器用なんです。『役が降りてくる』とか、全く分からない。役を自分に近づけることもできない。自分が近づくしかない。サビーヌがやるであろうことを実践して、実感を持ってやらないと」

女性らしさを意識するのではなく、役柄の人間としてどう生きるか。
結果、あまり経験のない女性像につながる。
純粋に役柄のことを考えられるようになった。
それは霧矢のキャラクターに負うところが大きい。

「昔は、娘役はこうあるべき…とか、セオリーにとらわれてたんですが、霧矢さんは本当に懐が深い方で。私が1人で舞台に立つときは責任を持ちなさい、と。デュエットダンスならそろえて、2人でスーツ姿の時は対等な存在で、というふうに、場面ごとに私の立ち位置が変わっていくことを望んでいらした。必然的に、この人間はどうなのかを考えるようになりました」

すべては、いい舞台を作るため-。それは精神面でも同様。
組替えにより、お互いを全く知らない状態で組んだコンビだった。
霧矢は最初から、舞台を一緒に作り上げていく相棒として接してくれた。

「私も自分から、思いを伝えていかないといけないと思った」
幕が開くまで、2人で納得いくまで話し合う。
積み重ねてきたコンビネーション。
そんな2人ならではの息がある。

「しっくりこなくて、もう少し考えてから言おうかなと思っていたら、その前に(霧矢が)ポンと言って下さる。私が『うまくいってない』と思うと、霧矢さんも気持ち悪い感じがするのかもしれません。本当に助けていただいています」

霧矢から学ぶことは多い。オンとオフの切り替えもそうだ。

「年中、仕事のこと考えているのが楽しい人もいるでしょうけど、霧矢さんはリフレッシュして仕事はしっかり取り組むというメリハリのある方。自分に合うペースを分かっていらっしゃるところが、プロフェッショナルだと思います」

蒼乃自身も、切り替えスイッチを大事にする。
いい仕事は、心の健康から-。
多少の疲れはあっても、趣味の時間は惜しまない。

「映画が本当に好きなので、見たいと思ったら我慢しない。最近だと、ナタリー・ポートマンがアカデミー賞主演女優賞を受賞した『ブラックスワン』を見に行きました。映画館に行く行為も好き。疲れるからってやめるより、やりたいときにやりたいことを。それで前向きになれるから」

旅行も好き。長めの休みなら、海外へ1人旅も。

「ニューヨークが好きなので、行きたいですね。ちょっと遠いけどアルゼンチンにも行ってみたい。タンゴが好きなので」

1人旅なら、旅先で出会う人すべてと、友達になれる気がするという。

「ブロードウェーのチケットを買うのに並んでいると、前後の人と友達になっちゃう。英語はしゃべれないんだけど。この間は、前後が韓国とカナダの方で、やっぱり言語は全く通じないけど、一緒にいるだけで楽しい。行けば、なんとかなる! って精神ですね」

小学時代はバトントワリングに打ち込んだ。
県大会で好成績を残したことも。
「突き詰めて練習するのが好き。ひとつの技ができるようになる過程が楽しくて。家でもブンブン回してました」
今は霧矢ら、仲間と作り上げる舞台に夢中。
かつてバトンで描いた弧のように「満ちた月」の仲間と夢の世界をつむぐ。

~宝塚大劇場 月組公演 「ミュージカル・ロマン アルジェの男」のチケット情報はこちらからどうぞ~


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